塔2022年2月号を読む

短歌

かなしくもいとしくも。

塔2022年2月号より

騙されて容易く愛を誓っひたるジークフリードの容易さは良し
(栗木京子)

文字だけになりたる君よ 肉筆の肉秋の日にふいにうばわれ
(前田康子)

どこの家のピアノならむか調律師は作業終わりにりらりらと弾く
(朝井さとる)

おなじ川に秋が来てをりわたくしを継ぎ足しながら風なかへ入る
(溝川清久)

落葉掃く仕事がしたいポケットのいっぱい付いたエプロンを着て
(田宮智美)

クレマチスにからむ昼顔剥がしゆくときに憎悪はおゆびより湧く
(栗山洋子)

腕時計の中をながれるせせらぎを耳寄せて聞く秋の朝は
(谷口公一)

辞めどきは今じゃないのかデフォルトのA定食に豚汁を足す
(佐藤涼子)

忘れたい、と告げくる声を凍らせてとっぷりと羽織るみどりのコート
(大森静佳)

白髪の増えたる君の鞄には三十年間トトロの揺れをり
(阪口和子)

言葉には色がついている原色の言葉にいつも泣いてしまう子
(万仲智子)

見て、蝶々 約束なんてほんとうは誰ともひとつも交わしたくない
(小松岬)

公害並の騒音とともに

なんだか外でやってるんですよね。
ケルヒャーかなにかですかね。

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