『中澤系歌集 uta0001.txt』を読む

短歌

涼しいと寒いの境目にいます。
中澤系の歌集「uta0001.txt」から3首選んでみました。

3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって
ひょっとして世界はすでに閉ざされたあとかと思うほどの曇天
ぼくたちはこわれてしまったぼくたちはこわれてしまったぼくたちはこわ

中澤系『中澤系歌集 uta0001.txt』

最初の歌はあまりにも有名ですね。
わたしの中ではこれぞ中澤系です。
上の句はどこにでもありそうなプラットフォームでのアナウンスなのに、下の句に違和感。
突き放されたようなかんじがします。

2首目、なぜかキリスト教を連想するのはわたしだけでしょうか。
ノアの方舟のような。
塗りこめたような闇とか空なんて表現はありふれてますが、世界が閉ざされたあと、閉塞したかんじが表現されてるように思います。

最後、3首目の歌は歌集の最後の歌でもあるのですが、すべてひらがなで書かれています。
一瞬何が書いてあるかわからない、その後ひらがなを読んで、おそらく漢字をあてるなら「僕たちは壊れてしまった……」あたりでしょうか。
でも最後はしまった、では終わっておらず、ぶつっと途中で切れています。
途中でぶつ切りにされてることが、まさしくこわれてしまった、ことを表しているように思います。

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